ドッグショーについて
ドッグショーとは(歴史、目的など) | |
ドッグショーの種類 | |
審査の基準 | |
審査のプロセス | |
チャンピオン(CH)・インターナショナルチャンピオン(INT.CH)になるには |
ドッグショーとは(歴史、目的など) |
ドッグショーは、1859年にイギリスのニューカッスルで開かれたのが始まりだと言われています。以後、鉄道などの輸送網の発達により、地域規模から全国規模へと発展を遂げました。しかし、ルールが不徹底だったためトラブルも多発しました。そこで、1873年にショーの管理や法的規制を含めたルール作りを目的としたケネルクラブがイギリスに設立され、今日に至っています。 ドッグショーは、犬種(ブリード)の理想とされる「スタンダード」をベースに比較審査する品評会です。よりスタンダードに近い犬を選出し、表彰することによって、より理想的な純潔犬種を繁殖するようブリーダーを促します。つまり、多くの人に数多くの犬種を見てもらい、スタンダードに対する理解を深め、優秀な犬を選出し、表彰することで各犬種の繁殖の指針を示し、純犬種を後世に伝えるという目的をもっているのです。 |
ドッグショーの種類 |
ドッグショーは出陳犬種の枠によって、次の3種類に大別されます。 ☆ 全犬種展: 全犬種を対象としたショー。JKC登録犬種であれば、出陳可能。 ○ 犬種群展: FCI(国際蓄犬連盟)が定めた犬種グループごとのショー(ノーフォークテリアは第3グループ)。 ■ 単犬種展: ひとつの犬種だけを対象としたショー。 JKCで定めたドッグショーには以下の9種類があります。 |
FCI展(本部展) ☆ | 年1回JKC本部が主催するFCIアジアインターナショナルドッグショー。 出陳犬数 2,000頭以上。 |
アジアS犬展 ■ | 年1回JKC本部が主催するジャーマンシェパード・ドッグのショー。 出陳犬数 100頭以上。 |
FCI展 ☆ | 全国14のブロック競技会が各々年1回開催するドッグショー。 出陳犬数 500 〜 1,200頭。 |
クラブ連合会展 ☆ | 全国67のクラブ連合会が主催するドッグショー。各連合会は3年に1度ショーを開催する必要あり。 出陳犬数 200 〜 500頭。 |
ST連合会展 ■ | ST連合会(ジャーマンシェパードドッグクラブ・トレーナーズクラブの連合)が年2回主催するショー。 出陳犬数 70頭以上。 |
犬種部会展 ■○ | 犬種部会が年1回以上開催するドッグショー。 |
全犬種クラブ展 ☆ | 全犬種クラブが5年に1度開催するドッグショー。 出陳犬数 2,000頭以上。 |
犬種群クラブ展 ○ | 犬種群クラブが5年に1度開催するドッグショー。 出陳犬数 150頭以上。 |
単犬種クラブ展 ■ | 単犬種クラブが5年に1度開催するドッグショー。 出陳犬数 50頭以上。 |
また、それぞれのショーは、出陳犬の年齢に応じて、マッチショー/チャンピオンシップショーに分類されます。 |
ベビーマッチショー | ベビー | 生後4ヶ月1日 〜 6ヶ月 |
パピーマッチショー | パピー | 生後6ヶ月1日 〜 9ヶ月 |
チャンピオンシップショー | ジュニア | 生後9ヶ月1日 〜 15ヶ月 |
ヤングアダルト | 生後15ヶ月1日 〜 24ヶ月 | |
アダルト | 生後24ヶ月1日 〜 | |
チャンピオン | チャンピオンタイトル獲得犬 |
審査の基準 |
審査の基準は、犬種ごとに理想とされている「スタンダード」(外貌、各部の構造、性格、被毛、歩様、サイズ)です。審査員は出陳犬同士を比較するのではなく、視診・触診によって「スタンダード」と個々の出陳犬を比較し、評価します。その際、次の6つのポイントから審査します。 ☆ タイプ その犬種の特色を示す特有の性質のことで、スタンダードの本質の具体化。 ☆ クオリティー タイプで表現された特色(犬質)の充実度や洗練度。 ☆ コンディション ショー当日の健康状態や精神状態。 ☆ サウンドネス 精神的・肉体的に健全な状態であることを確認。過度に攻撃的であったり、歯のかみ合わせが悪くてはいけない。 ☆ バランス 全体の調和。各部のポイントが全体を魅力的にしているか。 ☆ キャラクター ひときわ輝く魅力。 |
審査のプロセス |
☆
全犬種展・犬種群展(チャンピオンシップショーの場合) 全犬種展では、犬種ごとのトップ、BOB(Best of Breed)を決定した後、それぞれの犬種が属するグループごとのトップ、BIG(Best in Group)を選出し、そのうえでオスのトップ(KING)とメスのトップ(QUEEN)を選び、両者の中からショーのトップとなるBIS(Best in Show)を決定します(下図参照)。 |
@
ブリード(犬種)審査 同じ犬種の各クラス(ジュニア、ヤングアダルト、アダルト)ごとに、オス・メスそれぞれの1席を選出します。各クラスのオス・メス1席の中から、それぞれの1席(♂ WD:Winners Dog、♀ WB:Winners Bitch)を選出します。WD/WBはチャンピオンクラスにエントリーされた犬(CH)と供に審査され、その犬種のオス・メスの1位 BOB(Best of Breed)を選出します。 この際、WD/WBがCHを抜いて1位になった場合、「オーバースペシャル」と言います。 A グループ審査 オス・メスそれぞれBOBに選ばれた犬をグループごとに集め、そのグループの1位 BIG(Best in Group)を選出します。 10グループあるので、オス・メス10頭ずつのBIGが選出されます(ただし、クラブ連合展の場合は11グループまで編成されるので、11頭ずつのBIGが選出されます)。 B ベストインショー審査 BIGの中から、オスの1位であるKINGとメスの1位であるQUEENを選出します(2位のオスはReserve King、2位のメスはReserve Queenと呼びます)。その後、KINGとQUEENを一緒に審査し、ショーの最高位であるBIS(Best in Show)を選出します。 なお、全犬種クラブ展・犬種群展の場合は、@のブリード審査後、BOBの中からグループに関係なくEXG(Excellent Group)を選出します。その後、EXGの中からKINGとQUEENを選出し、どちらかがBISとなります。 ★ 単独システム 同一犬種の出陳犬数が40頭以上の場合に採用されるシステム。審査方法は@に準じます。単独システムの場合は、自家繁殖クラス(自分の繁殖した犬を名義変更することなく所有)がそれぞれ年齢ごとに設定されます。 ☆ 単犬種展 トーナメント方式は全犬種展とほぼ同じです。単犬種展の場合は、単独システム採用時と同様に、自家繁殖クラスが設定されます。 単犬種展では、トップの犬(全犬種展のBOBに相当)をオスはBD(Best Dog)、メスはBB(Best Bitch)と呼びます。そして、この2頭からBISS(Best in Speciality Show、全犬種展のBISに相当)が選出されます。また、BISSに選ばれなかった方はBOS(Best Opposite Sex)となります。 |
チャンピオン(CH)・インターナショナルチャンピオン(INT.CH)になるには |
☆ 出陳条件 - FCI公認の犬種であること。 - JKC会員所有の登録犬であること。 - ハンドラーはクラブ会員とその家族であること。 - 去勢・避妊手術をしていないこと。 - 外国チャンピオン及びインターナショナルチャンピオン(INT.CH)は、本部展、アジアS犬展、FCI展、クラブ連合会展、ST連合会展、犬種部会展のみ出陳可能。 ☆ チャンピオン(CH)になるには - チャンピオンシップショーで3枚のCC(Challenge Certificate)と1枚のM.CC(Major Challenge Certificate)を取得していること。 - 4枚のCC、M.CCは2名以上の異なる審査員が発行したものであること。 - 4枚のCC、M.CCは4年以内に取得したものであること。 ☆ インターナショナルチャンピオン(INT.CH)になるには - FCI展で4枚のCACIB(キャシブ)を取得していること。 - 4枚のCACIBは異なる審査員が発行したものであること。 - 最終のCACIB取得は、最初のCACIB取得から1年1日以上経過していること。 また、CH、INT.CH取得に際しては、以下の登録が必要となります。 - 種犬認定審査に合格・登録。 - 訓練試験資格(CDI以上、GDI以上、IPOI以上、BH)のいずれかを取得。 ★ CC、M.CC、CACIBについて(全犬種展・犬種群展の場合) - CCは全犬種クラブ展で以下を対象に発行されます(ただし、出陳犬数が400頭を超える場合は、M.CCが発行されます)。 a) WD/WB (ただし、審査までに3頭以上の出陳があること)。 b) BOB (ただし、審査までに3頭以上の出陳があること)。 c) EXG (ただし、当該犬が本会チャンピオンではなく、CC未取得の場合のみ)。 - M.CCは本部展、FCI展、連合会展、犬種部会展で、以下を対象に発行されます。 a) WD/WB (ただし、審査までに3頭以上の出陳があること)。 b) BOB (ただし、審査までに3頭以上の出陳があること)。 c) グループ入賞。 単独システムが採用された場合は、以下を対象とします。 a) EX (ただし、クラスに3頭以上の出陳がある場合)。 b) R.WD/R.WB(ただし、WD/WB審査までに、WD/WBをのぞき3頭以上の出陳があること)。 c) BOB (審査までに3頭以上の出陳があること)。 - FCI展でCACIB仮証が発行され、後日CACIB仮証取得犬にFCIからCACIB本証が付与されます。CACIBの種類ならびに対象は以下のとおり。 a) ブリードキャシブ(対象:BOB)。 b) リザーブキャシブ(対象:BOBの次席犬)。 c) グループキャシブ(対象:グループ入賞したグループ選出資格犬)。 |