ドッグショーについて



ドッグショーとは(歴史、目的など)
ドッグショーの種類
審査の基準
審査のプロセス
チャンピオン(CH)・インターナショナルチャンピオン(INT.CH)になるには

(参照:JKC「家庭犬」 2003/3号)



ドッグショーとは(歴史、目的など)
ドッグショーは、1859年にイギリスのニューカッスルで開かれたのが始まりだと言われています。以後、鉄道などの輸送網の発達により、地域規模から全国規模へと発展を遂げました。しかし、ルールが不徹底だったためトラブルも多発しました。そこで、1873年にショーの管理や法的規制を含めたルール作りを目的としたケネルクラブがイギリスに設立され、今日に至っています。

ドッグショーは、犬種(ブリード)の理想とされる「スタンダード」をベースに比較審査する品評会です。よりスタンダードに近い犬を選出し、表彰することによって、より理想的な純潔犬種を繁殖するようブリーダーを促します。つまり、多くの人に数多くの犬種を見てもらい、スタンダードに対する理解を深め、優秀な犬を選出し、表彰することで各犬種の繁殖の指針を示し、純犬種を後世に伝えるという目的をもっているのです。



ドッグショーの種類
ドッグショーは出陳犬種の枠によって、次の3種類に大別されます。

☆ 全犬種展: 全犬種を対象としたショー。JKC登録犬種であれば、出陳可能。
○ 犬種群展: FCI(国際蓄犬連盟)が定めた犬種グループごとのショー(ノーフォークテリアは第3グループ)。
■ 単犬種展: ひとつの犬種だけを対象としたショー。

JKCで定めたドッグショーには以下の9種類があります。
FCI展(本部展) ☆ 年1回JKC本部が主催するFCIアジアインターナショナルドッグショー。
出陳犬数 2,000頭以上。
アジアS犬展 ■ 年1回JKC本部が主催するジャーマンシェパード・ドッグのショー。
出陳犬数 100頭以上。
FCI展 ☆ 全国14のブロック競技会が各々年1回開催するドッグショー。
出陳犬数 500 〜 1,200頭。
クラブ連合会展 ☆ 全国67のクラブ連合会が主催するドッグショー。各連合会は3年に1度ショーを開催する必要あり。
出陳犬数 200 〜 500頭。
ST連合会展 ■ ST連合会(ジャーマンシェパードドッグクラブ・トレーナーズクラブの連合)が年2回主催するショー。
出陳犬数 70頭以上。
犬種部会展 ■○ 犬種部会が年1回以上開催するドッグショー。
全犬種クラブ展 ☆ 全犬種クラブが5年に1度開催するドッグショー。
出陳犬数 2,000頭以上。
犬種群クラブ展 ○ 犬種群クラブが5年に1度開催するドッグショー。
出陳犬数 150頭以上。
単犬種クラブ展 ■ 単犬種クラブが5年に1度開催するドッグショー。
出陳犬数 50頭以上。

また、それぞれのショーは、出陳犬の年齢に応じて、マッチショー/チャンピオンシップショーに分類されます。
ベビーマッチショー ベビー 生後4ヶ月1日 〜 6ヶ月
パピーマッチショー パピー 生後6ヶ月1日 〜 9ヶ月
チャンピオンシップショー ジュニア 生後9ヶ月1日 〜 15ヶ月
ヤングアダルト 生後15ヶ月1日 〜 24ヶ月
アダルト 生後24ヶ月1日 〜
チャンピオン チャンピオンタイトル獲得犬



審査の基準
審査の基準は、犬種ごとに理想とされている「スタンダード」(外貌、各部の構造、性格、被毛、歩様、サイズ)です。審査員は出陳犬同士を比較するのではなく、視診・触診によって「スタンダード」と個々の出陳犬を比較し、評価します。その際、次の6つのポイントから審査します。

☆ タイプ
その犬種の特色を示す特有の性質のことで、スタンダードの本質の具体化。

☆ クオリティー
タイプで表現された特色(犬質)の充実度や洗練度。

☆ コンディション
ショー当日の健康状態や精神状態。

☆ サウンドネス
精神的・肉体的に健全な状態であることを確認。過度に攻撃的であったり、歯のかみ合わせが悪くてはいけない。

☆ バランス
全体の調和。各部のポイントが全体を魅力的にしているか。

☆ キャラクター
ひときわ輝く魅力。



審査のプロセス
☆ 全犬種展・犬種群展(チャンピオンシップショーの場合)

全犬種展では、犬種ごとのトップ、BOB(Best of Breed)を決定した後、それぞれの犬種が属するグループごとのトップ、BIG(Best in Group)を選出し、そのうえでオスのトップ(KING)とメスのトップ(QUEEN)を選び、両者の中からショーのトップとなるBIS(Best in Show)を決定します(下図参照)。
@ ブリード(犬種)審査

同じ犬種の各クラス(ジュニア、ヤングアダルト、アダルト)ごとに、オス・メスそれぞれの1席を選出します。各クラスのオス・メス1席の中から、それぞれの1席(♂ WD:Winners Dog、♀ WB:Winners Bitch)を選出します。WD/WBはチャンピオンクラスにエントリーされた犬(CH)と供に審査され、その犬種のオス・メスの1位 BOB(Best of Breed)を選出します。
この際、WD/WBがCHを抜いて1位になった場合、「オーバースペシャル」と言います。

A グループ審査

オス・メスそれぞれBOBに選ばれた犬をグループごとに集め、そのグループの1位 BIG(Best in Group)を選出します。
10グループあるので、オス・メス10頭ずつのBIGが選出されます(ただし、クラブ連合展の場合は11グループまで編成されるので、11頭ずつのBIGが選出されます)。

B ベストインショー審査


BIGの中から、オスの1位であるKINGとメスの1位であるQUEENを選出します(2位のオスはReserve King、2位のメスはReserve Queenと呼びます)。その後、KINGとQUEENを一緒に審査し、ショーの最高位であるBIS(Best in Show)を選出します。

なお、全犬種クラブ展・犬種群展の場合は、@のブリード審査後、BOBの中からグループに関係なくEXG(Excellent Group)を選出します。その後、EXGの中からKINGとQUEENを選出し、どちらかがBISとなります。

★ 単独システム

同一犬種の出陳犬数が40頭以上の場合に採用されるシステム。審査方法は@に準じます。単独システムの場合は、自家繁殖クラス(自分の繁殖した犬を名義変更することなく所有)がそれぞれ年齢ごとに設定されます。

☆ 単犬種展

トーナメント方式は全犬種展とほぼ同じです。単犬種展の場合は、単独システム採用時と同様に、自家繁殖クラスが設定されます。
単犬種展では、トップの犬(全犬種展のBOBに相当)をオスはBD(Best Dog)、メスはBB(Best Bitch)と呼びます。そして、この2頭からBISS(Best in Speciality Show、全犬種展のBISに相当)が選出されます。また、BISSに選ばれなかった方はBOS(Best Opposite Sex)となります。




チャンピオン(CH)・インターナショナルチャンピオン(INT.CH)になるには
☆ 出陳条件

- FCI公認の犬種であること。
- JKC会員所有の登録犬であること。
- ハンドラーはクラブ会員とその家族であること。
- 去勢・避妊手術をしていないこと。
- 外国チャンピオン及びインターナショナルチャンピオン(INT.CH)は、本部展、アジアS犬展、FCI展、クラブ連合会展、ST連合会展、犬種部会展のみ出陳可能。

☆ チャンピオン(CH)になるには

- チャンピオンシップショーで3枚のCC(Challenge Certificate)と1枚のM.CC(Major Challenge Certificate)を取得していること。
- 4枚のCC、M.CCは2名以上の異なる審査員が発行したものであること。
- 4枚のCC、M.CCは4年以内に取得したものであること。

☆ インターナショナルチャンピオン(INT.CH)になるには

- FCI展で4枚のCACIB(キャシブ)を取得していること。
- 4枚のCACIBは異なる審査員が発行したものであること。
- 最終のCACIB取得は、最初のCACIB取得から1年1日以上経過していること。

また、CH、INT.CH取得に際しては、以下の登録が必要となります。
- 種犬認定審査に合格・登録。
- 訓練試験資格(CDI以上、GDI以上、IPOI以上、BH)のいずれかを取得。

★ CC、M.CC、CACIBについて(全犬種展・犬種群展の場合)

- CCは全犬種クラブ展で以下を対象に発行されます(ただし、出陳犬数が400頭を超える場合は、M.CCが発行されます)。

a) WD/WB (ただし、審査までに3頭以上の出陳があること)。
b) BOB (ただし、審査までに3頭以上の出陳があること)。
c) EXG (ただし、当該犬が本会チャンピオンではなく、CC未取得の場合のみ)。

- M.CCは本部展、FCI展、連合会展、犬種部会展で、以下を対象に発行されます。

a) WD/WB (ただし、審査までに3頭以上の出陳があること)。
b) BOB (ただし、審査までに3頭以上の出陳があること)。
c) グループ入賞。

単独システムが採用された場合は、以下を対象とします。

a) EX (ただし、クラスに3頭以上の出陳がある場合)。
b) R.WD/R.WB(ただし、WD/WB審査までに、WD/WBをのぞき3頭以上の出陳があること)。
c) BOB (審査までに3頭以上の出陳があること)。

- FCI展でCACIB仮証が発行され、後日CACIB仮証取得犬にFCIからCACIB本証が付与されます。CACIBの種類ならびに対象は以下のとおり。

a) ブリードキャシブ(対象:BOB)。
b) リザーブキャシブ(対象:BOBの次席犬)。
c) グループキャシブ(対象:グループ入賞したグループ選出資格犬)。




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